愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
順番にお風呂を済ませたあと、コウさんは約束通り菜々とアイスを食べると部屋には戻らず「少し見回りをしてくる」と言い残し外に出ていってしまった。
取り残された私は一旦自分の部屋へ戻ったけれど、どうも落ち着かず再びリビングに降りた。
気付けばずいぶん時間が経っている。
コウさんが外に出て行ってからすでに1時間ぐらいは経ってると思う。
……大丈夫かな?
心配になった私は厚めのコートを羽織った。手にはカシミアのマフラーとカイロを2個ほど持って玄関の扉を開ける。
玄関を出るとすぐひんやりとした冷たい風に吹かれ、ゾクリと体を震わせた。
さすが冬本番。12月の寒さは私の温まった体温を強烈に奪っていく。
そうなると、ますますコウさんが心配になった。
湯冷めはしてないだろうかと、キョロキョロ辺りを見回したけれど、
そこにはコウさんの姿はなく、首を傾ける。
門の外に出てみるとそこにはお目当ての彼が…。塀にもたれながら煙草を吸っている長身の姿を見つけ、ホッとした私は少し早足で彼の元へ駆け寄った。