愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。
「温かいです」
「当たり前だ」
口調は相変わらずだけど、最近のこうさんは目に見えて態度が優しくなったと思う。
私に対しての彼なりの思いがこうして伝わってくるからやっぱり嬉しい。それと同時に彼への好きが止めどなく膨らんでいく。
「あの、今回の件ですが……」
それから今回の事件について話し合った私達は少ししてから家の中に入った。
コウさんの話だとおそらく澤田組とは関係がないだろうということ。
そもそもあの時、澤田組の組織はコウさん達刑事さんが撃退してくれたはずで、嘘はない。
私の中では一瞬、宗一郎さんを捕まえた腹いせに彼を慕う誰かがまだどこかにいて逆恨みをしてやったのではないかとも思ったけれど、コウさんの意見は違った。
むしろ彼が警察に捕まって喜んでるやつは沢山いるんだと…。
それぐらい彼は色んな人に恨みをかっていたのだとか。
そうなると、犯人は他にいるわけで、ますます今回のことが分からなくなった。
どうしてうちが狙われたのか全く検討がつかず。
犯人の目処がたつまではあまり一人で行動をとらない方がいいことを告げられ、軽いショックをうける。
あまりの落ち込みようにコウさんはこの日、紳士的に気遣うように私を寝かし付けてくれたけれど、不安は募る。
そして玄関や庭などに監視カメラも幾つか付けた方がいいと言い、次の日コウさんはすぐに行動に移してくれた。
そんな彼に改めて感謝しつつ、ホッとしたのもつかの間。
クリスマス前日から不運は続き、私は驚きとショックを受けることになる。