ずっとキミが好きでした。
そんな過去を持つ私は、クリスマスがずっと嫌いだった。



クラスメートがケーキを食べる、パーティーするなどと言って盛り上がっているのに、お正月前にも関わらず、ケーキの代わりに純和食を食べ、喪に服さなければならなかったからだ。


身が凍えそうなほどの冷気がただよう中、田んぼ道を歩き、長々とバスに揺られ、両親の眠る高台の墓場に毎年足を運んだ。


命日にきちんと墓参りすることで、両親が私を見守ってくれると祖母に教わってからずっと、何があっても通って来た。








今年で途絶えさせてはならない。



父も母も待ってる。








私は立ち止まり、後ろを見た。














ーーーーーえっ…。














「翼!」













クリスマスの奇跡を私は信じても良いだろうか。



粉雪にまみれて、闇夜から彼は近づいて来た。
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