ずっとキミが好きでした。
大学受験当日。


私たちは二人で新幹線に乗り、キャンパスのある東京まで行った。


行きは、緊張のためにずっと黙り込んで教科書を眺めていたが、何も頭に残らなかった。


しかし、冬休みに休まず毎日勉強したことで、だいぶ手応えはある。


直前に知識は入れられなかったけれど、この1、2ヶ月で蓄積した分でうまく乗り切った。


受験が終わると、私たちはホッとするのと同時に、帰りの新幹線の心配をしなければならなかった。


大きくて複雑に入り組んでいる東京駅の中をグルグルし、乗り場に到着した時には、本来乗れたはずの一本早い便は既に出発してしまっていた。


椅子に座れた瞬間は、まさに天国だった。


長旅と受験を無事に終えた私たちは、帰りは帰りで解放感やら疲労感やらで会話を忘れ、二人共眠った。
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