ずっとキミが好きでした。
「翼ちゃん。今日から私、毎日遅くなるね。もしかしたら、部活に行けないかもしれない。ごめんね」






「なっつん、あっすー達と歌うんだろ?頑張れよ」






おれがエールを送ると、なっつんは素直に喜んだ。


おれの裏に隠された、濁った醜い感情など全く感じていない。


そのピュアさとみっくんが綴った歌詞に込められた思いは、きっと共鳴しているのだろう。


あっすーにはそれが分かったし、自分の好みだし、これ幸いと思ったに違いない。






完全なる敗北。


完璧な嫉妬。







自分がこれほどまで醜いとは思わなかった。




そんなおれの心を満たすには、一心不乱、無我夢中で家庭科クラブの活動に取り組むしか手段はない。
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