ずっとキミが好きでした。
「次の曲は、未来音が作詞し、新メンバーの戸田夏芽が歌います」





なっつんが登場した。


完成型かと思われたバンドに新たな光が差して、違和感なく浸透した。






私はなっつんを真っ直ぐ見つめた。


なっつんと出会っていなかったら、私は“私”になれていなかっただろう。


なっつんが支えてくれているからこのバンドは成り立っているんだ。


私はもう直接的に何もすることができない。


願うことしかできない。









なっつん、




明日音くんをよろしくね。




明日音くんのために素敵な声で歌ってあげて。



明日音くんが一目惚れしたというその声で彼の心を癒やしてあげて。











私は目を閉じた。









「それでは聞いてください。…ーー片思い」
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