ずっとキミが好きでした。
「わぁ~、キレイ!」




 
「ホント、スッゴくキレイだね」





大型ショッピングモールの中央には、もみの木ではないが、大きなクリスマスツリーがあった。


ツリーのてっぺんには星が飾ってあり、大木を様々な色の電飾が囲んでいた。


赤、青、黄、オレンジ…。


そのどれもが良い味を出していているのに、クリスマスツリーとしての一体感も感じられた。


イルミネーションはそれだけではない。


私は、キョロキョロと視線を目まぐるしく動かした。


前後左右どこを見てもカラフルに彩られていて、私の目を楽しませた。






「今日、翼と来られて良かった」






「…ありがと」






みっくんの瞳の奥には青白い炎が宿っていた。


寒さを感じさせない熱い眼差しに、私は少し動揺した。






静かにその時は近づいて来ていた。






私は、はやる気持ちを抑え、必死に冷静を装い、煌びやかなイルミネーションに釘付けなふりをした。


必要以上にみっくんに話しかけ、時が来ないことを祈った。






まだ私は適切な返事を見つけられていない。


このタイミングで来られても、お互い気まずいだけ。





だから…




だから…














「翼」







半歩前を歩いていたみっくんが、遂に振り返った。


私はマフラーの中にうずめていた顔を出してみっくんの瞳を見つめた。


青白い炎はより一層勢いを増していた。


   



ーー私は息を呑んだ。













「翼…ーーーーー…好きだよ」
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