リュックの穢れとポケットの純情
私とポケット

私は人気者



・・・ではないけれど、最近よく、告白をされる




そういうときには毎回、私には彼氏がいると言ったら悲しんでしまうだろうか、そんなことを考えてしまう

そして明確にことわれないままずるずると返事を引きずっている、そんな関係の人が片手に納まりきれなくなって、更に両手にも納まりきれなくなった




同時に、彼氏への申し訳なさが私を押しつぶし始めた





すごくいいひとなの
すごく純粋なひとなの

最近は返信がすごく遅いし私のことなんて嫌いになってしまったのかもしれないけれど

すごくすごく好きなの







けれど、あるとき、友人に言われたの




「それ、浮気じゃない?
キープしてるのと同じことでしょ~」





そんなことない




本命は彼氏、彼氏のことしか考えられないよ







「でもさ、逆に彼氏さんが同じことをしてると考えてみてよ。
あたしだったら自分の彼氏がそんなこと・・・耐えらんないなァ」








その言葉に私は、なにも言えなかった






だって、その通りだよ






もしこんな状況だって気付かれたら?






いや、もう気付いている?







そうだとしたら、私はずっと裏切っていて、傷付けていて・・・








無理

無理だよ





私、大切なひとに、そんな仕打ちを・・・・









私は、それでも彼に話を切りだすことはできなかった








でも、私は、ある日、腹を括った











< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop