リュックの穢れとポケットの純情


直接自分の気持ちを伝える勇気はなかったから、メッセージにした


本当のことを伝える強さはなかったから、理由を訊かれてもうやむやにした





本当に、自分は最低の人間だと思う





でも、この決断は、傷が浅いうちに、
お互いが離れられなくなる前に、
してしまわないといけない気がした






是非あのひとには、私みたいな最低な人間とではなく、
彼と同じ『いいひと』な人種と幸せになってほしい





でないと私が彼を諦めた理由が半分くらい意味を持たなくなってしまうから。






さあ、けじめをつけよう





私は、メッセージを送信した











< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop