ブルーベリーララバイ
彼女いない、なんて言っておいて、本当は彼女いるんじゃないの?

と、軽口を叩きたかったけど、「実は・・」なんて言われたら、失恋しちゃうからやめた。

って、もう失恋してるんだよな・・とほほ。

周りを見渡すと、学生も大人も、ケータイ画面をみつめて、忙しく指を動かしている。

だれもがケータイを持っている。

そういえば、学校でも、ほとんどの子がケータイを持っていた。

有紗も、最近親に買ってもらったらしく、授業中にこっそりとメールを打っている。

「メル友」と連絡をとっているらしい。

いや、有紗だけじゃない。机の下で、ケータイをいじっている友達は多い。

クラスの中でも最初から堂々とケータイを机の上でいじっていたのは、真野栞だ。

スパンコールが一杯ついたキラキラのケータイを、彼女は、一度先生から没収されたことがある。

その日、”学校が終わるまで没収”と先生に言われたので、真野栞は放課になると職員室へいっては「携帯返してー」と言っていたのをあたしはみかけた。

先生に対して言葉使いもタメ口。

ま、あたしもタメ口になることあるけど。

真野栞は、授業中遊んでいるけど、彼女は騒がない。

栞が中心と見えるグループの他のメンバーは、授業中、大きな声で話してとてもうるさい。

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