ブルーベリーララバイ
真野栞は、放課はにぎやかしく話をしているが、授業中になるとケータイを取り出して、静かになる。

ケータイしていないときもあるけど、しきりにケータイ打っているから、メル友もたくさんいるんだろう。

だからケータイを没収されたことは、彼女にはキツい出来事だっただろう。

「ねえ、有紗。有紗のメル友って知りあいなの?」と、あたしは、授業中に隣の有紗に聞いてみた。

「うん。小学校のときの友達とメールしてるんだ。あと、いとことか。」

と、先生の目を盗むように有紗は少し体をよせて小声で話してきた。

「はやく友梨亜もやりなよ。メールしようよ。」

今日は、翔太にも有紗にもケータイを誘われた。

やっぱりあたしもケータイ欲しい。

「ママ、あたし、ケータイが欲しいよ。みんな持ってて、話についていけなくなってるの。」

と、その晩、ママに思い切ってケータイ持ちたいと頼んでみた。

「そうね、実はママもケータイを友梨亜に持ってもらったほうがいいかなって、考えてたの。」

思わぬママの返答に、あたしはびっくりした。

そしてすぐに嬉しさがこみ上げてきた。

「やったあ!ありがとう!ママ!」



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