ブルーベリーララバイ
題名:ユリアへ
本文:おはよう!

たったそれだけだ。

「これだけ?」

「朝の挨拶していなかったの思い出した。」と翔太。

だからあたしも、書きかけのメールを途中にして挨拶を書いて送った。

題名:はじめまして
本文:翔太君へ
ケータイおもしろい。
オッス!

これを受信した翔太は「ははは」と笑った。
そうこうしている間に乗り換えの駅についた。

あたしは、翔太に「またね」と言ってケータイ持った手を振り、電車から降りた。

いつもの時間と違ったのは、乗り換えた後の電車の中で、翔太からメールをもらったことだ。

受信

題名:Re:はじめまして
本文:今度の日曜、
オレンチ来ない?
デジカメでとった
写真を見せたい。

あたしは嬉しくて、すぐに返信した。

題名:Re:Re:はじめまして
本文:行く~

そこまで書いて、可愛い顔文字を使いたかったが、操作がわからなかったのでそのまま送信。

うそみたい!

ケータイってめちゃいいじゃん!

あたしは、ケータイの便利さにすごく驚いた。

翔太と休みに会える。

翔太とデートの約束をケータイでした!

こんなに簡単にデートの約束が実現するものなの?

それに会うのは翔太の部屋。

翔太の部屋に行くのは久し振りだ。

あたしはケータイの画面を見ながら、翔太の部屋にいる自分を想像した。

うわー、もしかしてやっぱり彼氏彼女の展開?

もしかして、翔太と初めてのキスあるかも?

あたしはそう考えたら、顔がかっと熱くなった。

にやにやしているあたしの耳に、電車が停まって、「XX駅」とアナウンスが入った。

あ、降りなきゃ!

思わず乗りすごすところだった。

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