ブルーベリーララバイ
朝ご飯を食べた後、あたしは部屋に戻って、何を着ていこうかを考えた。

なぜか落ち着かない。

こんなにも翔太と会うことを楽しみにしたのは始めてだ。

いろんな服を合わせながら、翔太が気に入りそうな服をあたしは選んだ。

あたしは黄色いTシャツにミニ丈の赤と紺のチェック柄のスカート、そして生成の綿糸で編まれたおおきなV衿をセーターを来た。

そして、お昼ご飯をそそくさと食べて、家を出た。

ケータイを取り出し、翔太に電話をかける。

「よぉ!」って翔太がケータイに出た。

「今家出て、これから行く~。」

「りょーかい。外に出てるわ。」

翔太の家は、歩いてうちから5分ぐらい。自転車にのれば数分で着く。

あたしは自転車に乗って、軽快にペダルを踏んだ。

外は天気がいい。木々の緑が太陽の光に映えて、爽やかな風が吹いていた。

翔太の家の近くの路地を折れると、家の前に翔太が立っていた。

「翔太君!」

あたしは翔太の家の前で自転車を停めた。

「いらっしゃいませ~」とちょっとおどけた調子で翔太が言った。

「今日、親父たち、いないんだ。」と翔太がいきなり言う。

あたしはちょっとドキっとした。

両親がいない家にあたし入って大丈夫なのだろうか?

中学生のとき翔太の家には何度も来ているけど、両親がいないときも確かにあった。

今までこんなことを考えたことはなかった。

お互い少し大人になったと思うと、あたしはちょっぴり躊躇した。

久し振りにやってきた翔太の部屋だが、以前とあまり変わりはなかった。

でも、入るとムっとする男子の部屋の匂い。

普段、学校も女子ばかりなので、男子の匂いに慣れるまでに少し時間がかかった。

「コーラ、飲む?」

「うん」

そういって翔太は、キッチンからペットボトルにコーラを持ってきた。

翔太は私に一本手渡すと、さっそくパソコンをいじりだした。



< 25 / 30 >

この作品をシェア

pagetop