ブルーベリーララバイ
家庭に問題があるわけでもない。

お母さんのこと好きだし、お父さんも好き。

いじめがなかったら、わたしは普通に中学を卒業して、高校を受験して、そこそこいい高校へ行っただろう。

学校へは行かなかったけれども、私は勉強が嫌いではなかった。

不登校の間も、先生が持ってきてくれたプリントや、学校から隣の学区の塾へ通って勉強をしていた。

ただ、学校へ行っていないので、高校への推薦は当然もらえなかった。

そんなとき、担任の先生が、私のような生徒を受け入れる学校、つまりここをすすめてくれたのだ。

ここを卒業すれば、高校卒業の資格もとれるんだって。

特殊な学校かと思えばそうではなかった。

体験入校会で知った学校の雰囲気は明るくて、そのときいた生徒らしき人たちも、普通だった。

親はあたしを高校へ行かせたがっていたので、私はここに入ることにしたのだ。

高校に通って今日で4日だけども、隣の席に座る有紗という友だちができた。

少しずつ、クラスの友達の顔と名前が結びついてきた。

有紗の中学時代のことも聞いたけど、やはり有紗もいじめにあったみたい。

同じことを体験している私たちは、意気投合したのだった。

きっと、他の子も同じような体験をしてきていると思う。

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