ブルーベリーララバイ
自由な校風が手伝ってか、学校は二週目にも入ると、少しずつ女子の様子が変わってきた。

化粧をする女子がちらほら出てきたのだ。

最初は、目の上にうっすらとアイシャドーを塗っておとなしめの感じだったのだけど・・。

その週の後半になって、あたしのクラスに、目の周りに真っ黒なアイラインを入れて、つけまつげして、ティーン向けの雑誌から飛び出てきたような顔で登校した生徒がいた。

真野 栞だ。

化粧なんてしなくても美人で十分に可愛いと思っていた。

彼女とは一度も話していない。

だって、なんかツンとすました感じで、とっつきにくいんだもん。

授業中だって、彼女は堂々と遊んでいるし、先生の話も聞いてない。

彼女が話す相手は、自分と同類な、私からみると不良っぽい生徒たちだった。

あたしは、このとき、まさか、この先、彼女と親友になろうとは思わなかった。

というか、別の次元の人みたいだし。ありえない。

「ねえねえ、友梨亜は化粧をどう思う? 今時の高校生の化粧って、雑誌の世界だけかと思ってた。」

ケバい化粧で登校した真野栞を見て、有紗が聞いてきた。

有紗は化粧はまだしていない。

あたしもまだ化粧はしたことがない。

でも有紗もあたしも、女の子だから、化粧には興味があった。

「化粧したら大人っぽくなるから、してみたい気もするけど・・・。」

「あの子たちのような流行の化粧はなんか私は興味ない。」

と有紗。

「あたしも。」



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