雨
Fuel
あぁ、私はあのまま結局眠ってしまったのだろうか。時々夢の中で今自分が寝ている事を自覚することがあるらしい。今多分その状態なのだろう。
お店の人にも迷惑をかけてしまった。
早く起きないと彼ももう行ってしまう。
面白い人だった。考え方が変わっていて、驚きながら追っていくだけでいつのまにか辛いことも忘れ、ただその時を楽しむことができた。
また会えるだろうか。
起きたらもう彼が居ないかもしれない。
そんなの嫌だ
せめてまた会おうという一言を交わしたい。約束は無くてもいいから。
だから、まずはとにかく起きなくては。
瞬間体が動く感覚がして、目が開いた。本当に起きることが出来たらしい。同時に見覚えのない天井が目に入り驚き体を起こすと、ここはホテルらしい。ちょうど扉の外から彼が戻ってきた。