彼氏はイケメンマフィア
「おい、しっかりしろ、おい、」


少女に近づき声をかけると同時に、少女の異様さが目に入った。


この真冬にボロボロの半袖シャツ。靴は履いておらず、長時間外にいたためだろうか、肌は人形のように青白かった。


それに加えて、身体中には無数の傷。


しかし、俺が驚いたのはそれだけではない。


閉じていても分かるほど長いまつげに、大きな瞳。調和のとれた顔立ち。


思わず息をのんだ。今までになかった胸が早鐘を打つ感覚に襲われる。初めて抱いた”好き”という感情だった。

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