赤い刻印 - Secret Love -
「…そういうことです」

私はそう言って恐る恐る先生を見上げた。
先生は何とも言えない困惑したような表情を浮かべている。

誕生日にコンビニに寄って帰宅だなんて、先生って今フリーなのかな?
おばあちゃんを夜1人にできないからかもしれないけど。
何だか少しだけホッとしている自分がいる。

「また一沙ちゃんに煮物でも作ってもらおうと思って」
「ばあちゃん、矢沢は家政婦じゃないんだよ」
「いいよ先生!私で良ければ喜んで作るし」
「だけど…」
「明仁には関係ないだろう?私と一沙ちゃんで楽しくやるから嫌なら自分の部屋にでも行ってな」
「ばあちゃんなぁ~」

先生がフーッと深くため息をつく。
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