赤い刻印 - Secret Love -
「渡しそびれちゃったんじゃない?」

本当は気づいてるでしょ?
このプレゼントの重みも、自分が生徒にモテモテなことも。


「一沙ちゃんは本当に料理上手ね」
「本当?おばあちゃん」
「ええ」

ご満悦そうに私の手料理を食べるおばあちゃん。

テーブルに並んだちょっと渋めのおかずたち。
材料があまりなかったから見た目はイマイチだけど、そこそこ美味しくできたと思う。
何だかんだ言って先生もがっつり食べてるし。

「こんなお嫁さんが来てくれれば安心だわ。ねぇ、明仁?」
「へっ?」

おばあちゃんの突然の発言に、私と先生はほぼ同時にマヌケな声を出してしまう。

「こんな可愛くて料理上手のお嫁さんがいれば、明仁ももう少し柔らかくなるのにねぇ」
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