赤い刻印 - Secret Love -
「おばあちゃんがそう言ってくれるなら、私いつでもお嫁にくるよ」

私はそう言ってニヤッと先生のほうを見た。

「ばあちゃん!コイツは教え子だから」
「別にいいじゃないの」
「ばあちゃん、そろそろ部屋行って寝れば?」

先生は慌てた様子でおばちゃんを寝室へと連れて行ってしまった。
こういう冗談を軽くスルーするのが苦手らしい。
本当に堅物すぎる…。


「矢沢もそろそろ…」

廊下から聞こえてくる先生の足跡を確認して私はそっと瞳を閉じた。
面白いから寝たふりしていよう。


「矢沢?」
「…」
「何寝てんだよ」
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