赤い刻印 - Secret Love -
私の寝たふりはまだまだ続く。
叩き起こされるかと思っていたけど何もされずにギシッとソファが軋む。
どうやら先生が横に座ったようだ。

「…」
「……」

あまりにも沈黙の時間が続くからさすがにそろそろ辛くなってきた。
先生の視線をチクチクと感じる。
何だか無性に恥ずかしくなってきた。

どうして黙って寝顔見てるの?先生。
その視線に我慢できなくなった私はゆっくりと瞳を開ける。

「…!起きてたのかよ?」
「うん」
「狸寝入りか」

先生は顔を真っ赤にして立ち上がった。
やっぱり私の寝顔を見つめてた?
いや、寝顔じゃなくて先生の視線の先は…。

「せんせー。私のどこ見てたの?」
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