赤い刻印 - Secret Love -
これを見る度に私は先生のことを思い出すだろう。


「ねえ、先生。この間ハラハラしなかった?」
「ん?」
「三者面談!タイミング悪すぎー」

そう言って苦笑すると、先生は少し困ったような顔をした。

「まあな。正直生きた心地しなかったわ」
「でしょ?」

平気そうな顔で面談してたけど、やっぱり先生も内心ハラハラしてたんだ。
それが分かって少しだけホッとした。

「不倫カップルってああいう心境なのかな~?」
「何バカなこと言ってるんだ」

そこは話に乗ってこないのか。
ただの例え話なのに。
先生って何だか不思議な人。
話せば話すほどもっと先生のことを知りたくなる。

「…先生はどうしてあんなことしたの?」
「!」
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