赤い刻印 - Secret Love -
「ごめん、食べちゃった。でもデザートは別腹!お茶入れてくるね」

こんなに早く帰ってくるなんて何だか拍子抜けする。
でも何だか嬉しくて私はキッチンへと向かおうとした。

「一沙…。こんな時間まで何してたの?」
「え?」

母親の雰囲気や声のトーンがいつもと違うことに気づいて、私は彼女のほうを振り返った。

「村田先生と付き合ってるの?」
「…!」


予想もしていなかった母親の言葉に、心臓の鼓動がどんどん激しくなっていく。

「村田先生?そんなわけないでしょ。何でまた…」
「さっきたまたまコンビニの前で見かけたの。話しかけようと思ったんだけどそういう雰囲気じゃなかったから」
「…」
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