赤い刻印 - Secret Love -
こんな時ばっかり母親ぶらないでほしい。
普段は仕事や男中心で、私のことなんか放ったらかしにしているくせに。

「とにかく先生となんて絶対にだめ。バレたらどうなると思ってるの?」
「…」
「これからは学校外で会わないこと。分かった?」

私は何も言わずにぎゅっと拳を握った。

「…ない」
「え?」
「私が誰と会おうと、誰と付き合おうとお母さんには関係ないでしょ」
「…一沙」
「今さら母親ぶらないで!私の恋愛に口出しするなら、私も修二さんのこと認めないから!!」


…あーあ。
久しぶりにやってしまった。
ここ最近はなるべく感情を抑えて、母親と衝突しないように努力していたのに。
でも、無性に腹が立ったんだ。
< 122 / 238 >

この作品をシェア

pagetop