赤い刻印 - Secret Love -
今までずっと私のことを放置してきたくせに、急に娘の恋愛事情に首を突っ込んでくるなんて。


***


「うーん?それは一沙のこと心配してくれてるんじゃないの」

ランチタイムで賑わう教室。
私は麻美に昨日の出来事(もちろん全部は言えないけど)を愚痴っていた。

「いや、だって娘が夜遅くまで男と一緒にいたら誰だって心配でしょ」
「うん。まあそれは分かるんだけど…」
「それより相手は誰なの?一沙にそんな相手いたんだ」

麻美がニヤニヤしながら私の顔を覗き込んできた。

「そんなんじゃないよ!中学の時からの男友達。昨日先生の家寄った帰りに会ってさ~」
「ああ、そうなの?そういえば昨日ありがとうね」
「ううん」
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