赤い刻印 - Secret Love -

「取りたいよ」
「あんた先生が好きなんでしょ？その先生に対してそんなこと…」
「好き？誤解しないで」

香川は鼻でフッと笑って私のほうを見た。
でもその顔は追い詰められていて余裕がないようにも見える。

「確かに先生のことは尊敬してるよ。でもそれは恋愛感情とかじゃない」
「…」
「私はとにかく良い点が欲しいの！取らなきゃいけないの！！」
「香川…」
「それに先生だって私に期待してる。余計に変な点数取れないじゃん？」

めちゃくちゃだよ、それ。
でも香川の切羽詰った様子に迫力負けしてしまって何も言えない。
香川なりに苦しんできたことは何となく分かったから。

「やってくれるよね？矢沢さん」
「そんなの…」