赤い刻印 - Secret Love -
「…まだ」
「じゃあ良かったらばあちゃんと一緒に食べてやって」

先生はそう言って私の頭を優しくポンと叩いた。

「持って来てくれたおかず貰っていいの?ご飯は炊いてあるみたいだし、確か冷蔵庫に焼き豚あったかなー」
「…」

もう少し嫌な顔されると思ったんだけど。
とことん村田先生って優しいなと思う。



「先生?」

2階にある先生の部屋のドアをそっと開けた。
先生はご飯食べてすぐ上に行っちゃって、私とおばあちゃんはリビングでずっと話をしてた。
話し疲れたのかおばあちゃんは寝てしまった。

「先生、何してるの?」
「矢沢!? 」

驚いたような表情でこっちを振り返った先生。
いつの間にか部屋着に着替えていて、いつもとは違うラフな姿に少しだけドキッとする。
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