赤い刻印 - Secret Love -

「言ったでしょ？家に帰ってもいつも1人だって。それにね」
「？」
「せっかく先生の部屋で2人きりになれたんだし。どうせなら先生とあの日の続き…」
「矢沢」

そこまで言いかけたところで先生が慌てて私の名前を呼ぶ。
焦っているような怒っているような複雑な表情だ。

「もー。冗談だよ！」

私はそう言って微笑んだけどすぐに真顔に戻った。
その表情の変化を不思議そうに見つめる先生。

「冗談だけど少しだけそう思ったのも事実。先生にもう1度触れてもらいたかった」
「…」

結構マジメに言ったつもりなのに先生は無反応だ。

「やっぱりそういう対象にすらならないか！私も美雪先生みたいな大人の女性だったら良かったのにな～」