赤い刻印 - Secret Love -
「放課後の化学室でキス。しかも家にまで出入りしてる。キスまでしかしてません、なんて言っても誰も信じてくれないよ?」

香川は呆れたようにため息をついた。

「キスだけだって十分問題だからね?懲戒免職処分でしょ、確実に」
「それは香川にとっても困ることでしょ?」
「…」
「前に恋愛感情じゃないって言ってたけど、村田先生のこと尊敬してるのは確かなんでしょ?」
「まあ…、ね」
「私もね、先生にはずっと先生でいてほしいの」

私のその言葉に香川は黙って聞いていた。

「それを奪い兼ねない原因を作ったのは自分たちだけどさ。でもお願い!香川さえ黙っててくれれば…」

私はそう叫びながら香川の両肩を掴んだ。
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