赤い刻印 - Secret Love -


***


「じゃあテスト返すぞー」

村田先生の声にクラス中からブーイングが巻き起こる。

「いらねーよね」
「…ね」

麻美の耳打ちに私は苦笑した。
確かにいらない。
勉強に全く集中できなかったし結果は目に見えている。

「…森口、矢沢」

先生に名前を呼ばれて渋々テスト用紙を受け取りに行く。

あれから2週間近く。
先生とは目も合わせていないような状況が続いている。
私は先生の目を見ないままテスト用紙を受け取った。

「矢沢。これ終わったら化学室に来い」
「!?」

先生の言葉に驚いて顔を上げる。
こんな所で堂々と何を言っているの?
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