赤い刻印 - Secret Love -
確かに先生の推理は当たってる。
だけど先生には生徒を疑うとかそういうの似合わない。
そんなこと絶対してほしくないんだ。

「矢沢、教師だって人間なんだよ。生徒を疑うこともあるし…」

いつも以上に冷静な先生の声。
だけどその眼差しは情熱的で私は思わず吸い込まれそうになった。


「生徒を本気で好きになることだってある」
「!」


シンと静まり返った化学室。
今、何て言った?
聞き違いじゃないよね?
生徒を好きにって、つまりそれはー。

「それって…」

慌てて先生のほうを見上げると先生も私のほうを見つめていた。
まるで時間が止まったように見つめ合う。
その光景がまるでドラマみたいだと思った。
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