赤い刻印 - Secret Love -
でも、しばらくして先生は正気に戻ったように私から視線を外した。


「やっぱりそれは間違ってるよな…」

" 間違ってる " 
その言葉が胸に突き刺さる。

「さっきのことは忘れて」
「香川のこと?」
「犯人を責めるのは筋違いだよな。自分に嫌気がさしたよ」
「…」
「元々の原因を作ったのは自分なんだから。俺が全て悪い」
「その後の言葉は?」

"生徒を本気で好きになることもある"
はっきりと聞こえたよ?
でも、同時にそれが間違いだと思ってることも知った。

「好きって言った…。そっちも忘れろってこと?」

先生はそれには答えず私の頭を軽くポンと叩いた。

「とりあえずお前は教室に戻ってろ」
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