赤い刻印 - Secret Love -
強く掴まれたままの腕。
先生の温もりが嫌ってほどリアルに伝わってくる。
「俺、矢沢のことが好きだよー…」
先生の声、視線。
まるで時間が止まった気がした。
きっと数秒の出来事だったんだろうけど、この空間だけ時間が止まったような感覚に陥る。
「せん…」
突然の告白に私は反応できずにいた。
はっきりとした口調で、目を見て好きだと言われたのはこれが初めてだったから。
「先生、私も…」
「矢沢」
ようやく声を振り絞った瞬間、先生がそれをさえぎるように私の名前を呼んだ。
そして掴んでいた腕を離す。