赤い刻印 - Secret Love -
決断


" 俺、矢沢が好きだよー… "


その夜は先生の甘い声を何度も思い返した。
そしてその後に言われたつらい言葉も。

先生は1人で悪者になって学校から去ろうとしてる。
そして私の元からもー。


***


翌日、私は先生との約束通り香川の家を訪れることにした。
メールやLINEは無視され続けていて全く香川と連絡が取れない。
無事に香川に会えると良いんだけど。


「はい!どちら様…」

しばらくして玄関のドアから顔を覗かせたのは中年の女の人。
香川のお母さんだろう。

「あら、もしかして幹子の学校の?」
「クラスメイトの矢沢っていいます。あの、幹子ちゃんいますか?」
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