赤い刻印 - Secret Love -
「きっと先生も」
「まあ」
「だから復讐に来たんでしょ?」
「別に。アンタが犯人って決まったワケじゃないし」

そう言って香川の目をしっかりと見つめる。
香川の瞳が一瞬だけ揺れたような気がした。

「そうだよ。私はあんなことしてない。でも…」
「でも?」
「そんなこと言っても絶対に信じないでしょ?」
「信じるよ」
「嘘。だってあの写真は私が撮ったものなんだよ?どう考えたって私が犯人だと思って…」

香川はハッキリと『してない』と言った。
その瞳は嘘をついているように見えなかった。

「だ~から!その辺の事情を聞こうと思って来たの。私は香川を信じるよ」
「矢沢さん…」
「聞かせて」

しばらくして香川はゆっくりと話し始めた。
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