赤い刻印 - Secret Love -
「もちろん麻美たちのやったことを批判する権利もないと思ってる」
「…」
「だから香川はもう気にすることな…」
「羨ましかったの」

消え入りそうな声でそう呟いた香川。
香川は俯いたまま言葉を続けた。

「いつもクラスの真ん中にいる矢沢さんが羨ましかった。おまけに可愛くて成績もそれなりに良くって」
「そんなこと…」
「おまけに村田先生とまで…。だから少し困られてやろうと思った」
「香川…」
「それにね。村田先生が惚れた女の子だから何となく興味があった」
「惚れ…!?そんなんじゃっ」
「今さら何言ってんの? 私ずっと前から気づいてたよ」
「え?」
「先生の視線の先にいつも矢沢さんがいたこと」
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