赤い刻印 - Secret Love -
私は近くのカフェに文幸を呼び出していた。
誘われたSKYのライブを断るために。

「本当にごめんっ!!どうしても行けなくなっちゃって」
「エイプリルフールの嘘じゃなくてマジのやつね?」

今日は4月1日、エイプリルフール。
4月とは思えないほど冷え込んでいてついに空から雪が舞ってきた。

「いいよ、大丈夫。男友達とでも行くから気にしないで」

文幸は申し訳ないくらい私に優しくしてくれる。
あの後、クラスで孤立してしまった私をいつも気にかけてくれた。


「一沙、そんな大荷物抱えてどこ行くの?」

カフェを出た私たち。
パラパラと舞う雪を見上げて文幸はボソッと呟いた。

「村ちゃんに付いてくつもりか?」
「…」
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