赤い刻印 - Secret Love -
先生との約束
人も疎らな駅のホーム。
あと1時間もすれば帰宅ラッシュで賑わうだろう。
そんな中、大きな荷物を抱えに現れた私を見て先生は呆然としている。
「何言ってるんだ」
「だから先生と一緒に行く」
「ちょっ」
電車に乗り込もうとした私の肩を先生が強く掴んだ。
「待てよ。お前何考えて…」
「私も千葉に連れてって」
先生は困惑した顔をしている。
私は泣きそうになるのを堪えて言葉を続けた。
「お願い、先生」
先生は小さなため息をついた。
私の無鉄砲さに呆れたのだろうか?
その間に電車のドアは閉まりホームを後にした。
「家は?学校は?俺はお前まで処分受けないように必死で…」