赤い刻印 - Secret Love -
「そんなのどうでもいい。言ったでしょ?家に居場所なんかないって」
「…」
「学校だってそうだよ。どんな状況になってたか先生だって分かるでしょ?年度末まではと思って頑張って登校したけど」

先生は何も言わずに俯いたまま。

「先生、私のこと好きだって言ったくせに」
「…」
「嘘だったの?」
「嘘じゃないよ」

先生は小さな声でそう呟いてから言葉を続ける。

「付いてくるって本気?まさかもう学校に退学届け出してきたの?」
「それはまだ…。とりあえず荷物持って出てきた」
「無鉄砲すぎだろ」

どこか少しホッとしたような表情を見せた先生。

「学校は辞める。先生、付いてってもいい?」
「バカ。高校くらい卒業しなきゃダメだ」
< 220 / 238 >

この作品をシェア

pagetop