赤い刻印 - Secret Love -
そしてもう諦めた。
普通に生活していく上でお金に不自由したことないしね。
お小遣いだって食費だって十分なくらいもらっている。
それだけでも私はありがたいと思ってるんだ。

「先生こそ意外」
「ん?何が?」

こんな大きい家でおばあちゃんと2人暮らしなんて。
仕事で忙しいはずなのに帰ったら介護までしているなんて。

「ずっとおばあちゃんと2人暮らしなの?」
「いや、ここ1年くらいだよ。親父が今仕事で海外に行ってるからその間だけ」
「大変だね」
「まあ、ばあちゃんにはずっと苦労かけてきたし」
「ふーん?」
「お袋は俺が子どもの頃亡くなったから、ばあちゃんが母親代わりだったんだよ」
「そうなんだ」
< 33 / 238 >

この作品をシェア

pagetop