赤い刻印 - Secret Love -
先生の言葉に胸がぎゅっと締め付けられた。
「でもな、矢沢。自分のことは大事にしろな?」
先生の手が私の頭をポンポンと撫でた。
その手の感触が優しすぎてまた泣きそうになってしまう。
「…さてと。そろそろ送るよ」
「いいよ!1人で帰れるし」
「ダメダメ。ほら行くぞ」
先生の言葉に私は小さく頷いた。
その優しさがじわっと胸に染みてくる。
今日1日だけで彼の知らなかった部分を沢山見れた気がする。
でも
自分の中で村田先生という存在が大きくなり始めたこと、この時の私はまだ気づいていなかったー。