赤い刻印 - Secret Love -
放課後の化学室で
「一沙、どうしたの!」
放課後の教室。
窓の外を眺めながらボーッとしていた私の視界に突然麻美が現れた。
「え、何が?」
「ずっと電話してんのに全然出ないんだもん」
「えっ!ホント?」
私は慌ててバッグに入ってるはずのスマホを探す。
几帳面なほうだからバッグの中は割りと綺麗に整頓されている。
それなのにいくら探してもスマホが見当たらない。
「…ない!」
「失くしたの?」
バッグはもちろん机の中や周辺を探しても見当たらない。
「もしかしたら化学室に置いてきちゃったかも」
「ドジ」
今日最後の授業は化学室だった。
多分あそこだ…。
「どうした?」