赤い刻印 - Secret Love -
まさか真面目な先生がこんなことをするなんてー。
挑発しといて何だけど、私はどうしたらいいのか分からずに下を向いた。
その間も先生の視線をチクチクと感じる。

「何であんなこと言ったの?」

何とも言えない沈黙を破ったのは先生のそんな言葉だった。

「大人をからかって面白い?おまけにキスまでするとか」
「からかったわけじゃない!」
「じゃあ何のつもりだ?」
「…ずっと、見てみたいと思ったてたから」
「え?」
「真面目な化学教師の理性が崩壊するところ」
「…」
「先生っていつもつまらなそうだから、そういうことすれば新しい世界が見えるかもよ?」

俯いたままボソッとそう言った後、恐る恐る先生のほうを見上げた。
< 46 / 238 >

この作品をシェア

pagetop