赤い刻印 - Secret Love -
「そんなに見てみたいんだ?"真面目教師"の理性が崩壊するところ」
「そ、そうだよ」
「じゃあ見せてやるよ」
「へ?」
「こっちおいで」

先生が指差したのは化学準備室。
私は高鳴る鼓動を抑えながら小さく頷いたー。


***


放課後の化学準備室。
二重に鍵をかけられたそこは世界中で誰にも知られることのない2人だけの空間。
遠くのほうで聞こえる生徒たちの笑い声と北風の音。
それが何だか妙にリアルだった。

「先生?」

私を見下ろす先生の視線が "あのアザ" にあることに気づく。

「だからそれはキスマークじゃな…」
「分かってるよ。状態見れば分かる」
「男にこれ見られる度に疑われるのかなぁ?めんどくさ」
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