赤い刻印 - Secret Love -
私はそう言って鎖骨にあるアザを手で隠した。

「まあ場所が場所だからな」
「これはね、私が生きてきた証だから」
「ん?」
「私の誇りなの!」

笑顔でそう言ったつもりだけど今の自分はきっと痛々しい表情をしている。
今でもこのアザを意識する度に過去の記憶が蘇ってくるんだ。
虐待という誰にも言えない過去が。

「んなの、誇りに思うな」
「…っ?」


そう呟いた先生が私の鎖骨辺りに顔を埋めた。
先生が口付けた場所に、火傷の跡と重なるように赤い花が咲くー。


私はその行為に赤くなりながら先生を見上げる。
目の前にいる先生は私の知ってる冷静な先生ではなかった。

初めて見る表情、声。
全てが意外すぎてドキドキする。
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