赤い刻印 - Secret Love -

「逃げなきゃ良かった。先生の理性が完全崩壊するところ見たかったよ」

今だからそんな強気なこと言ってられるけど、男の目をした村田先生を前にして私は全く余裕がなかった。

「私は忘れないよ！？」
「…」
「でも安心して？先生。誰にも言わないし脅したりもしないから」

私はそう言ってニコリと微笑んだ。
少しだけ悪女を演じてみる。
先生の為に。
先生の気持ちが少しは楽になるように。

だって "純潔な生徒" に手を出したと思ったら先生はもっと悩むんでしょ？
まあわざわざ演じなくても、私は綺麗で純粋な女の子ではないけど。


「あの日のことは2人だけの秘密－…」