赤い刻印 - Secret Love -
私は1人上の空で先生の話が全く耳に入ってこない。
ふいにあの日の出来事が浮かんできて、私はそれをかき消すようにブンブンと首を横に振った。
何だかものすごく悪いことをしているような気分。
「…ざわ?矢沢?」
「は、はいっ?」
慌てて顔を上げると先生が少し怒ったような顔でこっちを見ていた。
「進路の件だけど、矢沢自身はどうしたいと思ってるの?」
「ああ、進路ですか…。まだあまり考えてなくて」
「やりたい仕事とか行きたい学校はないのか?」
「うーん…」
やりたいことなんて特にない。
今まで何となく生きてきたから、将来のことなんて考えたことがなかった。
周りのみんなは進路について真剣に考え始めているというのに。
ふいにあの日の出来事が浮かんできて、私はそれをかき消すようにブンブンと首を横に振った。
何だかものすごく悪いことをしているような気分。
「…ざわ?矢沢?」
「は、はいっ?」
慌てて顔を上げると先生が少し怒ったような顔でこっちを見ていた。
「進路の件だけど、矢沢自身はどうしたいと思ってるの?」
「ああ、進路ですか…。まだあまり考えてなくて」
「やりたい仕事とか行きたい学校はないのか?」
「うーん…」
やりたいことなんて特にない。
今まで何となく生きてきたから、将来のことなんて考えたことがなかった。
周りのみんなは進路について真剣に考え始めているというのに。