赤い刻印 - Secret Love -
「例えばだけど調理専門学校とかはどうだ?」
「…」
「矢沢、料理得意だろ」

先生はそう言ってハッとしたような顔をした。
そんなこと言っちゃって良いんだろうか?
先生の家に上がって料理作ったことは内緒なのに。

「先生よくご存知ですね!そうなんですよ、この子料理だけは得意で~」
「そう聞いてます。家庭科の成績優秀ですし」

先生、とっさに誤魔化したな。
少し焦ったような顔をしている。
その様子がおかしくてニヤニヤを抑えるのが大変だ。

「まだ2年生だからゆっくり考えれば?ねぇ、一沙」
「ああ、うん」
「この子の生きたいように自由に生かしてあげたいんです」

それってつまり放任ってことだよね。
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