赤い刻印 - Secret Love -
「何でと言われても…」

夜は仕事、休みの日は彼氏とデート。
私と話す時間なんてないんだから、担任がどうこうなんて会話できるわけないじゃない。

「それより服とかメイク、もう少しどうにかならなかったの?」

派手な赤いコートにロングブーツ。
とても三者面談に来る格好ではない。
巻き髪に濃い目のメイクは通常営業だけど、今日くらいはどうにかしてほしかった。

「ごめんごめん!これから仕事だから」
「もー。いい歳なんだから普段はもう少し落ち着いてよ」

いい歳というワードが気に障ったのかふて腐れている。
確かに同級生のお母さん達よりは若いけど、そういう問題ではないのだ。

「そうだ、一沙。明日時間ある?」
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