赤い刻印 - Secret Love -
きっと母親にとって私は厄介者でしかない。
修二さんと2人で新婚生活を始めたいと思っているはず。
親子だし長年一緒にいれば何となく分かる。
いつも娘の私よりも自分の人生が大事な人だ。


「家族って何なんだろうね…?先生」


ずっと"普通の家族"に憧れていた。
一緒にご飯を食べたり学校での出来事を話したり、そんな些細なことだけで十分なのにな…。



職員室を出て少し歩いたところで私は背後に気配を感じた。
ゆっくりと振り返るとそこには見慣れた顔、クライスメイトの香川幹子が立っていた。

「先生と何話してたの?」
「え…?」

香川の言葉に私は少しだけ驚いた。
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